苦手なことをがんばろうとしてつらかった話

こんにちは、そーたろうです。
今回は前回の続きで仕事について書いていきます。前回はあまり人と関わらず自分の作業に没頭できるような働き方が好きという話や苦手なことをしなければならずつらいときはどうするべきかについて書きました。

今回はぼく自身のことについて退職する前の会社でのあれこれをお話できればと思います。

会社での仕事内容について

前回の記事でも少し触れていますが、ぼくはシステムエンジニアとして働いていました。もう少し詳しく説明すると工場などの設備を制御する自動化システムの開発をしていました。例えば、

  • 機器などを制御したり、設備内のデータを集めたりするための制御盤の設計
  • 設備の運転を制御するプログラムの開発
  • 設備を監視するためのパソコンやタッチパネルのシステムの開発

1つ目は電気関係の設計で、2つ目と3つ目はプログラム関係の設計と開発になります。基本的には1つの案件を担当すると最初から最後まですべて自分で担当することになるので、上記3つのことすべてに関わることになります。

こうやって書いてみるといかにも自分の好きな集中して作業に取り組めるような仕事内容に見えますね。しかし実際は自分1人で進めていけるような感じではありませんでした。

仕事に集中できない日々

ぼくは常々担当した案件については自分でだいたいの見通しを立てて、やるべきことを整理しながら自分1人で進めていきたいと思っていました。そのほうが集中できるし、なによりもやっていて楽しいです。

しかし実際には自分のやりたいように進めていくことはできませんでした。案件の規模にもよりますが、現実的に1人では納期に間に合わない場合もあります。また案件を管理する側にまわり、経験が浅い社員にもうまく仕事を振ってほしい、仕事を通して新しいことを指導してほしいという会社の思惑もありました。

経験を積むにしたがってこのように自分以外の人と関わらざるを得ないことが増えていきました。それに加えて、管理する側にまわるということは実際の作業を別の人にやってもらうということになります。元々考えることが好きで、制御盤でどんな回路や部品が必要か、この仕様を実現するにはどうやってプログラムを作ればいいか、難しいことも多いが、そこに没頭して考えまくって、自分で手を動かして作業してというのがしたいのにその機会も少なくなりました。

同僚に案件や作業内容について説明してやってもらうというのも自分にとっては精神的に大きな負担になっていました。全部丁寧に説明しているつもりでも自分の説明でちゃんと伝わっているか不安になってしまい、何か質問が来るんじゃないかと思うと意識が全部そっちへ行ってしまうのです。結果自分のやるべきことにまったく集中できなくなってしまい、定時をすぎて同僚や上司が帰った後にしか仕事に集中することができないということも多々ありました。

技術職といっても上司の承認や確認が必要なことも多いし、他部署に何か依頼しないといけなかったり、協力会社の方から問い合わせがあったり、こちらから何か確認しないといけなかったりと自分の作業に集中する時間より他の人と関わる時間のほうが多かったです。ぼくの場合は誰かと関わるたびに「どうやって話そうか」とか「こう話して相手が誤解したらどうしよう」とか「この話をするならこの情報も必要かな」とか「こんな話をしたらこうやって思われるんじゃないか」とかたくさんのことが頭の中に浮かんでしまうのです。話しかける前に考えても仕方ないことがあるのも分かっています。それでも永遠に考えてしまって結果として極度に緊張してしまったり、うまく話せなくなったりするんです。

自分の作業にも集中できないし、苦手なことなのにまわりの人とも関わらざるを得ない状態で、充実感もなく憂鬱な気分で出勤していました。

会社が求めること

会社としてはある程度の経験がある人に案件を管理してもらい、まわりの社員に働きかけてうまく進めてほしいと思うのは当然のことだと思います。会社には様々な人がいるのでみんなをまとめられる人材はやっぱり必要です。ただその前に人には向き不向きや得意不得意があります。自分にとっては案件を管理し、他の社員の進捗を管理しながら指示を出したり、他部署や社外の人とやりとりをしたりというのは簡単なことではなくて、精神的にも負担が大きいものでした。不得意だし不向きなことだったのだと思います。

一方で自分のやるべきことを把握して、計画的に進めたり、精度の高いプログラムを作ったりすることはやっていて楽しかったし、仕事をしている充実感もありました。自分にとってはこれが得意なことであり、向いていることだったんです。

限界を感じた

今考えるとぼくは不向きでどうやってもうまくできないようなことをがんばろうとしていたと思います。しかし当時は会社に自分の現状を相談することができませんでした。悩みを会社に伝えて、仕事の内容について相談すればよかったというよりもそうするべきだったと今でも思っています。

会社で働いているときのぼくはこんなことを考えていました。

  • 毎月決まった給料をもらっているのだから仕事が大変なのは当然。好きじゃないこと、苦手なことでも仕事なんだからやらないといけない。
  • 会社が求める人材を目指して頑張らなければならない。

どちらも会社員なら当然のことなのですが、ぼくには限度が分かりませんでした。性格的に1つの考えがあるとそれ以外は見えなくなってしまうような視野の狭い部分があるのですが、このときも「がんばらないといけない」とそればかりを考えてしまっていました。「うまくできないのも、大変なのも自分が未熟で実力もないからだ」、「がんばって経験を積めば仕事もうまく回せるようになって楽になる」といつも思っていたので相談するという考え自体が頭になかったです。

決して上司や会社のことを信頼していなかったのではありません。相談すれば会社はちゃんと考えてくれると思っていました。なのでちゃんと助けを求めなかったことが今でも悔やまれるんですよね。

ある時やっと自分は苦手なこと、不得意なことをがんばろうとしているということに気づきました。苦手なことだからこんなにもやっていてつらいし、これから業務としてできるようにはなっても、ずっと苦しいままなのだろうとようやく考えられるようになりました。

このときの自分は、会社に行きたくないと思うのが普通でした。会社に行きたくないから朝もベッドから起きられず、家を出る準備ができるギリギリの時間まで布団をかぶっていました。仕事のことを休日も引きずって休みの日も仕事のことを考えてしまうなどまったく休んだ気がしなかったり、憂鬱な気持ちが続き何もする気が起きなかったり、そんな日が続いていたんです。これでは充実した豊かな生活とは言えず、自分の人生がもったいないと感じました。

このときに会社に相談して担当している案件のことや業務内容について改善してもらえるように働きかければ、そのまま会社で働き続けることもできたかもしれません。しかしこのときにはすでに会社でがんばっていけるような状態ではなく、このまま続けたら精神的にももっと悪くなってしまうのではないかと本気で思ったくらいです。

結果として会社を辞めたことに後悔はないです。精神的な落ち込みは解消されて気持ちが軽くなりました。気分が軽くなると自分がやりたいことが自然と思い浮かぶようになるんです。ぼくの場合はブログを書くこと、音声配信をすること、もっと本を読むこと、毎日散歩やジョギングなど軽い運動をすること、プログラミングの勉強をすること、といったところでしょうか。そしてそれらに取り組もうとする意欲もわいてきます。少しずつではありますが、毎日これらのことに取り組めるようになり、この変化に自分でも驚いています。

さいごに

会社では自分には不向きなことをなんとかがんばろうとしていました。もちろんそれ自体は大切なことだし、会社で知識やスキルをたくさん身につけられたことは本当によかったと思っています。ただ毎日こんなにつらい思いをしてまで続けることではなかったのです。

ぼくの選択はいくつもある選択肢のうちの1つで、これが最善の選択だったのかどうか確かなことは分かりません。しかし退職した今気の済むまでやりたいことに没頭できる環境にいて充実した生活を送れているので間違ってなかったなと思っています。

長々とぼくの個人的な話を書いてしまいましたが、同じように仕事でつらい思いをしている人の少しでも助けになればうれしいです。

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